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Windows 365 その1

更新日:2021年9月9日

先日のWindows11の発表から今度はWindows 365が発表されました。

もしかしたらWindows11はこのWindows 365のために必要なバージョンアップだったのかもしれません。


この記事を読まれた方の多くはすでにご存じの方も多いと思いますが、簡単に、現在わかっている範囲の情報をまとめておきたいと思います。


Windows365の概略


Windows 365は、どうやら、これまでAzure Virtual Desktopで提供してきたMicrosoft版VDIの中堅・中小企業向けバージョンになりそうです。


現段階の情報を簡単にまとめると次のようになります。

  • Windows 365は MicrosoftのInspireという2021年7月のWorldwideのカンファレンスで発表された。

  • Windows環境をクラウドで利用する=VDIのような形でWindowsを利用するサービス

  • OSの機能とデータの保存は、Microsoftが提供するクラウド上で提供される。

  • そのため、iOSでもAndroidでもLinuxでも、ブラウザが立ち上がりインターネットに接続できればすべてWindowsの利用が可能。

  • Windows 365で提供されるOSはWindows10で、Windows11リリース後はWindows11の選択も可能

  • 利用料金は月額3400円*

  • 利用開始は2021年8月(!)から。

利用料金はまだ1パターンしか提示されていませんが、CPUやディスク容量などによって異なるものが提供されるようです。



Windows 365とAzure Virtual Desktop


MicrosoftがVDIとしてのサービスを提供しているのは、もちろんWindows 365が初めてではなく、Azure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)があります。


しかしながらAzure Virtual Desktopは、

  • 従量制料金

  • Microsoft 365 E3以上あるいはWindows 10 Enterpriseのライセンスが必要

となっており、中堅・中小企業が利用するにはハードルの高いものになっています。


これに対しWindows 365は、

  • 固定料金

  • Windows 365のライセンスのみ必要

となっており、現時点の発表では、テレワークへの対応が必要な中堅・中小企業向けのメニューとなっているようです。

料金体系はまだ1つしか発表はされていませんが、中堅・中小がVDIを検討するなら、十分に手が届くサービスだと思います。


注意すべき事項


だからといっていいことばかりではありません。Windows 365で利用可能なOfficeは何か?を考える必要があります。


Officeについては、Azure Virtual Desktopでは、Office SubscriptionのSCA(Shared Computer Activation)が必要ですが、Windows 365ではSCAは不要とされているようです。

ただしオンプレミスのライセンスが利用できるという記載は、今のところ見つかっていません。

結局はMicrosoft 365の契約が必要となり、新たなライセンス投資が必要になる可能性もあります。


また、Windows 365の更新についても注意が必要です。


どこまでアップデートをコントロールできるのか?


アップデートのコントロールができない場合、社内システムの対応可否についても事前に検討しておく必要があります。


また、組織として利用する場合には管理コンソールによる統制・管理も必要ですが、そのためにはWindows 365 Businessではなく、Windows 365 Enterpriseの導入が必要になるようですので、その場合の料金についても確認が待たれます。


「その1」での結論


どんな発表でもそうですが、最初のアドバルーンはいつでも「すばらしい」ものです。

Windows 365のアドバルーンも今のところはいいことづくめに見えますが、すべては詳細がわかってから。

特にライセンス要件については、十分に見ておくことが必要です。

  1. Windows 365はVDIを一気に普及させる可能性のあるサービスになりうるかもしれない。

  2. ただし、ライセンスは要求する利用環境によっても異なるため、詳細な料金プランを待つことはもちろんのこと、どれくらいのコンピューティング能力やディスク、ネットワーキング容量が必要なのかについても、十分な確認が必要。

  3. Windows 365を利用した場合のIDの利用条件並びに管理要件(共有利用の可否、90日ルールの適用可否)、並びに現保有ライセンスの活用可否についての検討が必要。

  4. Windows 365環境における現行社内システムの稼働の担保が必要。

また新しい情報を入手しましたら改めてご案内させていただきます。

ちなみにMicrosoftではこれを「クラウドPC」と呼ぶそうです。

VDIと区別する目的、さて、何でしょう?


今回の参考サイト

(すべて別ページが開きます)


<日本語ページ>

マイクロソフトの「Windows 365」、構成の1つは月額約3400円


マイクロソフトが新リモートデスクトップサービス「Windows 365」リリース、Azure Virtual Desktopがあるのに


<英語ページ>

Windows 365 vs. Azure Virtual Desktop (AVD) – Comparing Two DaaS Products

(英語ページではありますが、一番網羅的でわかりやすくまとめられていると思います)


Get started with Windows 365(Microsoftのページです)


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